f1(えふいち) Ver0.9にいて
原子力規制委では、原子力発電所の再稼働に向けた安全審査が進められています。
私たちが知りたいことの一つに、万が一にも原発が事故ったらどのように放射性物質が
拡散し残るかです。現状ではそのような試算は何処の原発でもなされていません。そこで
簡易的に放射性物質を拡散を模擬するアプリケーション「f1」を作成しました。
1.仕様
OS:Window系 OS
JAVA:実行環境があること
サイズ:740kb
2.原理
原発付近の気象データから、放射性物質付の「風船」を飛ばした場合にどのように移動するかを
模擬し、雨が降れば風船は地上に落下し地面が放射性物質で汚染され、放射線が大地から出る
との想定で作成しまいした。また、時間が経つと拡散するとしましたが、これは福島第一原発の
データなどから、適当(ある意味いい加減)に決めました。
3.計算例
以下に福島第一原発事故での放射性物質汚染のシュミレート結果を示しまします。
北西方向(飯舘村付近)の強烈な放射性汚染と阿武隈川沿いの汚染は再現できたような気がします。
・気象データが1点
・地形効果を考慮していない
・拡散が適当(概ね福島の結果に合うように定数を設定)
・もととなる放出データ(東京電力の発表)の信頼性
などの問題があり、現実を完全に再現できていませんが、概ねの目安としてはご利用いただけると思います。
4.使用方法
(1)以下のURLよりzip形式のファイルをダウンロードし、解凍します。解凍にはLhaca等の解凍
アプリケーションが必要です。
f1のダウンロード
(2)データを用意する。
以下のデータをご用意くし、dataフォルダに入れてください。
jouken.txt - map.gifの情報、1行目に「,」区切りで以下の情報を記載ください。
1行目 画像上の原発横位置(左端からのピクセル数)
2行目 画像上の原発縦位置(上端からのピクセル数)
3行目 スケール:1m当たりのピクセル数
4行目 地図画像ファイル名
5行目 セシウム137の累積放出量(単位PBq)
6行目 気象データファイル(時刻、降雨量、風速、風向)
以下の例では、
@原発の横位置は180ピクセル目
A原発の縦位置は120ピクセル目
B1m当たり0.002ピクセル(1ピクセル500m)
C画像ファイル名はmap.gif
Dセシウム137の累積放出量ファイルはcsOut.csv
E気象データファイルはwind.csc
です。
180
120
0.002
map.gif
csOut.csv
wind.csv
windId.csv - 気象情報と累積の放射性物質放出量(詳細は(3)参照
(3)セシウム137累積放射量ファイルの仕様
セシウム137累積放射量ファイルは左から、A,B,Cとすると以下のように時間順にデータを並べて
ください。
A:基準日からの経過日数(単位「日」:小数点以下は時刻や分を示す)
B:計算に使用せず
C:累積の放射量(単位PBq)
A | B | C |
40614.16667 | 0.000000003 | 0.000000003 |
40614.42361 | 0.04 | 0.040000003 |
40614.45139 | 0.008 | 0.048000003 |
40614.58333 | 0.0004 | 0.048400003 |
40614.63194 | 0.01 | 0.058400003 |
40614.64583 | 0.0000003 | 0.058400303 |
40614.65278 | 0.04 | 0.098400303 |
40614.75 | 0.00001 | 0.098410303 |
40615 | 0.008 | 0.106410303 |
40615.33333 | 0.000004 | 0.106414303 |
(4)気象データファイルの仕様
気象データファイルは左から、A,B,C,D,E,Fとすると以下のように時間順にデータを並べて
ください。
A:計算に使用せず(概ね日付を想定)
B;計算に使用せず(概ね時刻を想定)
C:基準日からの経過日数(小数点以下は時刻や分を示す)
(概ねExcel等で C=A+Bで計算することを想定)
D:降雨量
E:風速(m/s)
F:風向(風上方向)
A | B | C | D | E | F |
2011/3/12 | 15:30:00 | 40614.64583 | 0 | 2.5 | 南 |
2011/3/12 | 15:31:00 | 40614.64653 | 0 | 0.7 | 南南東 |
2011/3/12 | 15:33:00 | 40614.64792 | 0 | 0.7 | 南南東 |
2011/3/12 | 15:35:00 | 40614.64931 | 0 | 0.7 | 南南東 |
2011/3/12 | 15:37:00 | 40614.65069 | 0 | 0.7 | 南南東 |
2011/3/12 | 15:39:00 | 40614.65208 | 0 | 0.7 | 南南東 |
2011/3/12 | 15:40:00 | 40614.65278 | 0 | 3 | 南 |
(4)データ元データ入手方法
@東京電力発表
a)当社福島第一原子力発電所のモニタリングデータの追加公表について|TEPCOニュース|東京電力
に福島第一原発事故直後の放射線量と気象情報(風速、風向、天気)などの情報が記載されています。
b)【120524】東北地方太平洋沖地震の影響による福島第一原子力発電所の事故に伴う大気および海洋への放射性物質の放出量の推定について|TEPCOニュース|東京電力
に福島原発事故時の時間毎の放射性物質の放出量が記載されています。
A気象庁
気象庁|過去の気象データ検索
で過去の気象データが調べられます。
(5)オペレーション
f1.bat (winodwバッチファイル)をクリックください。
5.その他
放射性セシウム137の1MBq/m2での空間放射線量は2.1(μSv/h)ですが、セシウム137も同量あるとして7.5(μSv/h)に換算しています。換算係数は
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
によります。
6.お問い合わせ
メール:メール(aityan2000@excite.co.jp)