4 原子力発電所と災害

原子力発電所は、大量のエネルギーを捨てています。
このエネルギーで、地震や水害を起こしたと、「猫」は思います。
たとえば、世界最大の発電量がある、柏崎刈羽原子力発電
所では、フル出力となれば、1,610.5万kWもの熱を海に捨て
います(1)。これは、東北電力の最大の電気供給量(2010年)
の1,557万kW(2)を超えています。このような巨大なエネルギ
ーが海に捨てられば、水害や地震が起こっても不思議ではない
と思います。

1 発電所ではどれだけ災害が発生したか
 柏崎刈羽原子力発電所は世界最大の原子力発電所です(3)ので、原子力発電所が災害
を起こすなら、この発電所に典型的にでると思い調べてみました。以下の図はその結果です。

※1 原子力発電所の発電量は、定期検査のデータ(3)および運転開始日(4)より集計
※2 地震は(5)、豪雨は(6)およびリンク先による。

柏崎刈羽原子力発電所は新潟県中越地方にありますが、1980以降97年までの17年間
は、新潟県中越地方での大きな災害のデータを見つけることができませんでした。しかし、
発電所がフル出力に達した1998年~2011年の14年間では、豪雨が3回、地震が2回
起こっています。中越沖地震のために2008年、2009年、2010年の3年間は同原発は
停止していますが、その間は水害も地震も起こっていません。そして、同原発が再稼働した
2011年にいきなり「新潟福島豪雨」が起こっています。これって、偶然でしょうか?

柏崎刈羽原子力発電所と水害につて
2011年7月末の雨の降り方
 下の絵は2011年7月29日に、気象庁のHP(9)から、ダウンロードした、新潟県
中越地方の降雨状況と雨雲の様子に、柏崎刈羽原子力発電所の位置をマークして
みました。



図 2011年7月新潟・福島豪雨での降雨と雨雲の様子

この日(2011年7月29日)は、新潟県中越地方は大変な豪雨に襲われました。ほとん
どの鉄道が不通になり、踏切の遮断機が上がりっぱなしなったりし、交通は大混乱し、
また洪水被害もでました。写真を見るとまるで、柏崎刈羽原子力発電所に噴水や煙突が
あって、そこから水(雨)や雨雲が噴出している感じです。この絵を見ると、原子力発電所
が雨雲を作り、雨を降らせ「豪雨」を引き起こしているような気がします。
 下の図は、新潟県の資料に出ていた2011年7月と2004年7月(10)の雨の総量に、
風向きを重ねてそこに原子力発電所の位置と、当日の風向きの分布を重ね合わせてみました。


図 2011年および2004年7月の新潟・福島豪雨の雨量と柏崎での風向き


 どちらも原子力発電所の風下の山間部で多くの雨が降っています。こんな偶然てあるでしょうか?
どう考えても原子力発電所が「雨」を降らせているとしか思えません。
 余談ですが、2011年7年の「豪雨」は、雨の量に比べ被害が少なったみたいです。これは、過去
2回の「豪雨」があったので、柏崎刈羽原子力発電所の東側とその下流の洪水対策を集中的に実施
していたとのことです。


 
原発は大量の水を蒸発させる。
 水には「潜熱」という定数があります。1kg(≒1l)の水を蒸発させるのに必要なエネルギー
です。約2454.2(kJ/kg) です(12)。柏崎刈羽原子力発電所が捨てるエネルギーは16,10.5万kW
(すなわち毎秒1,610.5万KJ)ですので、1秒間に1,610.5万÷2452.2=6,841kgの海水を
蒸発させています。1年に直すと6,841×365(日)×24(時間)×3600(秒)=2157.4億リットル
もの水を蒸発させています。
 柏崎刈羽原子力発電所に近いアメダス観測点(柏崎、長岡、小国)の各年の降雨量と、柏崎
刈羽原子力発電所の年平均の発電量を図にしてみました。なんだか、発電量が多い年は、雨が
多く、発電量の少ない年は少ない感じがします。

※1 降雨量のデータは気象庁のサイト(13)よりとりました。

 傾向を見るため、小国、長岡、柏崎の3点の平均をとって図にしてみました。

 発電量がピークだった、2002年、2004年そして2005年は2,800mm近い雨が、柏崎刈羽
原子力発電所の当たりで、降っていましたが、発電がほとんど止まった2008年、2009年は、
2,300mmを切っています。その差は、500mmを少し超えるぐらいと思います。
 ところで、長岡と小国の観測点は地図(9)でみると原子力は発電所から、20km程離れていま
す。柏崎の観測点と発電所からは10kmくらいでした。また、小国と長岡も20km程離れていま
す。おおむね20km四方の四角に収まります。この400km2(=20×20)範囲に、先ほど計算した
原子力発電所の熱で蒸発する水の量(2157.4億リットル)から、1m2あたりどれだけになるかと
いえば
  2157.4億÷400km2÷100万(1km2 は100万 m2です)=539.35l
です。雨量になおすと539.35mmで、500mmを少し超えるくらいです。偶然の一致でしょうか
福島では、原発停止後に雨が減った
 2011年3月11日の地震で、福島第一、第二原子力発電所が停止しました(11)。一方柏崎刈羽原
子力発電所では2011年3月9日に、発電量が355.6万kWから491.2万kWにアップしました。この状態は、
8月まで続きました。一方、2009年は、柏崎刈羽原子力発電所は止まっていました。運転が再開
したのは12月です。一方、福島第一、第二原子力発電所は正常に運転をしてたはずです。だったら、
福島第一、第二原子力発電所の周辺では、2011年3~8月の雨量は、2009年3~8月の雨量は
に比べ少なり、柏崎刈羽原子力発電所の周りでは、2011年3~8月の雨量が多くなるはずです。
気象庁のデータ(13)をまとめてみました。

福島では2011年の方が降雨量は下がっています。しかし、柏崎刈羽原子力発電所付近では2011
年の方が上がっています。柏崎と福島の原発はほぼ同じ緯度にあります。大きな気象変動は同じよ
うに働くと思うので原発の影響としか思えません。

どうして原発は雨を降らすか
 柏崎刈羽原子力発電所がどうして雨を降らすのか、定性的ですが、理屈を考えてみたいと思います。
下の図は、柏崎の月ごとの風向きを、気象庁のデータ(13)元に集計してみました。

  図 - 柏崎の風向き分布

※最大風速時の風向きを集計
※集計期間は2001年から2010年

圧倒的に「西風」が多くなっています。また、柏崎刈羽原子力発電所の風下(東側)は陸であり、その
先に山があります。



※Google earthによる。
図 柏崎刈羽原子力発電所から東側を見た時の鳥瞰図

 発電所からの熱は、海に出ます。海水は温まり、蒸発します。蒸発すると雲ができ、西風に流され
山にぶつかります。やまにぶつかると、山に沿って上昇し、冷えるので結露して、雨となって地上に
降ります。


 そんなわけで、原子力発電所が原因で雨が降ることは十分あり得ると思います。


原発と地震について
原子力発電所の周りでは地震が起こり易い
 以下の絵は、気象庁が2011年の東北太平洋沖地震の報道資料からとったものです。


★資料は気象庁による(14)
図 気象庁が発表した過去の地震

このうち、黄色で塗られた「地殻内で発生した地震」の6件について、原発との関係を調べてみました。

表-原発と地殻内で発生した地震

No 地震名 発生日 マグニ
チュード
最大
震度
近隣
原発
原発付
近震度
震源から
原発までの
距離(km)
震源

深さ
(km)
出典
1 兵庫県南部
地震
1995/1/17 7.3 7 大飯 4 118.9 16 兵庫県南部地震
- Wikipedia
2 鳥取県
西部地震
2000/10/6 7.3 6強 島根 5弱 43.2 9 鳥取県西部地震
7 - Wikipedia
3 中越地震 2004/10/23 6.8 7 柏崎
刈羽
6弱 28.6 13 新潟県中越7
地震 - Wikipedia
4 能登半島「地震 2007/3/25 6.9 6強 志賀 6弱 18.0 11 能登半島地震
- Wikipedia
5 新潟県中越
沖地震
2007/7/16 6.8 6強 柏崎
刈羽
6強 14.0 17 新潟県中越沖
地震 - Wikipedia
6 岩手・宮城
内陸地震
2008/6/14 7.2 6強 女川 3 88.0 8
災害時自然現象
報告書
※原子力発電所の震度は、原子力発電所のある市町村の震度による

このうち震度5弱以上の揺れがあった原子力発電所(または付近)は、3か所で延べ4回です。たた6回
の地震で、4回はどこかの原発で、震度5弱以上の震度を記録しています。
 6回のうち2回は震源が原発から20km以内です。このデータだけみると、原子力発電所の近くでは
地震が起きやすいとしか思えません。福島県のホームページ内で、東京電力が作成した資料を見つけ
ました(15)。そこには
「(福島第一原子力発電所の)敷地を含む領域のどこでも発生しうるものとして評価されているが,敷地
周辺の約30km四方の領域に限定して発生頻度を試算すると,約1800年に1回程度発生することになる」
です。他の原子力発電所も同じであるとすると、もんじゅを含めると18か所ありますので、100年に1回
の計算になります。でも、実際は十数年で、2回も起きています。
 中越沖地震と能登半島地震を細かく見る
 中越沖地震や能登半島地震は原子力発電所の直ぐ近く(半径20km以内)で起こっています。そこで
、この地震について詳しく見ていきたいと思います




     (a)中越沖地震                           (b)能登半島沖地震
★中越地震は(18)能登半島地震は(19)による。

中越沖および能登半島地震での余震分布

「(余震の)原因は、本震時に解放されきれなかったエネルギーが放出される為だと見られる。」(17)
そうです。だから余震の分布をみれば断層に溜まったエネルギーの範囲が分ります。上の図をみると、
ふたつの地震とも原子力発電所に最も近い部分が余震の中心になっています。こんな偶然てある
でしょうか?
 下の図は、中越沖および能登半島地震の地殻変動の様子を示します。図の通り、どちらの地震も
原子力発電所のあたりで地殻変動が最大となっています。




  (a)中越沖地震                            (b)能登半島地震
★中越沖地震は(20)、能登半島地震(21)はによる。
図 中越沖および能登半島沖地震の地殻変動の分布

過去5年間でみれば、地殻内で発生した大きな地震は3回しか起きていません(中越沖、能登半島
そして岩手・宮城内陸地震)が、そのうち二つ(中越沖、能登半島地震)は、原子力発電所の直ぐそ
ばです。そして、この二つの地震は、余震の中心が余震域のなかで、原子力発電所にもっとも近く、
地殻変動も原子力発電所付近が最大になっています。
 以下の図は地殻内で最近起こった大きな地震と原子力発電所の位置を重ねてマークしたものです。
なんだか原子力発電所の近くでよく起こるみたいです。


★(22)に記載の図に、地震の位置、「竹島」および国境を「猫」が追記

図 原子力発電所と地震発生位置

理論的な可能性について
 原子力発電所の近くで地震が起こることは、理論的に説明できるのでしょうか?「猫」はできる
と思います。たとえば、柏崎刈羽原子力発電所では、熱出力が2431.7万kWであるにに対し、
電気出力は821.2万kWで、その差の1610.5万kWが熱として海にしてられています。地震のマグニ
チュードMは、地震のエネルギーEとして
 log10 E = 4.8 + 1.5 M
の関係にあります(16)。丁度、柏崎刈羽原子力発電所の1日の排熱でマグニチュード6.9に相当
する計算になります
  M=(log10 E-4.8)/1.5でE=1601.5×1千万(1万kW=1千万W)×24×3600で計算)。
たった1日分の排熱エネルギーが地下に溜まれば十分に地震は起きます。
 ガラスに熱湯を注ぐと割れることがあるそくです。ガラスが温まると、ガラスの中に熱で歪ができて
割れてしまうみたいです。だったら、地殻に暖かい水を注いだら、地殻だってあたたまって割れるよ
うな気がします。原子力発電所の不要な熱は温排水となって海に捨てられます。その熱は海水を
伝い地殻を温めます。地殻が温まると膨張し、歪を発生させます。そして、歪が限界に達すると、
地震が発生すると思います。その様子を下の絵にまとめてみました。




図 原子力発電所が地震を起こすメカニズム

 以上の想定のもと、柏崎刈羽原子力発電所について、計算式を導き計算してみました。結果は
、中越、中越沖地震のマグニチュード6.8に近い6.7でした。なお、計算の詳細はpdfにまとめ
ましたので、よろしければご覧ください。ただ、大学初級程度の物理の知識が必要です。


最後に
 ここでは、原子力発電所自体が「豪雨」や「地震」を起こすと書いてきました。突拍子がないかと思うか
もしれませが、よくよくデータを見れば可能性は十分にあると思います。

参考にさせていただいたサイト様
(1) 発電所の概要 より集計
(2) 最大電力実績(全体)
(3) 柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(4) 定期検査実績
(5) 地震の年表 (日本) - Wikipedia
(6) 新潟豪雨 - Wikipedia
(7) 気象庁震度階級 - Wikipedia
(8) 気象庁 | 被害地震資料
(9) 気象庁 Japan Meteorological Agency
(10) 平成23年7月新潟・福島豪雨による被害状況(第3報)
(11) 宮城県地震における当社設備への影響について
(12) Memo 水の特性
(13) 気象庁 | 過去の気象データ検索
(14) 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第28報)
(15) 福島第一福島第原子力発電所柏崎刈羽 ... - 福島県ホームページ
(16) マグニチュード - Wikipedia
(17) 余震 - Wikipedia
(18) 「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」の特集
(19) 2007年能登半島地震合同余震観測による震源分布
(20) 平成19年(2007年)新潟県中越沖地震に伴う地殻変動(第2報)
(21) 平成19年(2007年)能登半島地震に伴う地殻変動(第2報)
(22) 本の原子力発電所 - Wikipedia


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